野生のイルカと泳ぐ人気アクティビティ
御蔵島ドルフィンスイム
野生のイルカと泳ぐ夢がかなう島が東京にあります。 それは御蔵島(みくらじま)。 御蔵島には約150頭のミナミハンドウイルカが暮らしていて、野生のイルカと泳ぐドルフィンスイムというツアーが人気です。 この記事では御蔵島のドルフィンスイムについて詳しく紹介しています。
公式サイト | 御蔵島観光協会 |
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レベル | ガイド判断 |
エントリー | ボートエントリーのみ |
ベストな風向き | 南 |
流れ | 非常に強いことがある |
水深 | 5〜50m |
透明度 | 30〜40m |
駐車場 | 宿から港まで送迎あり |
更衣室 | 宿にあり |
シャワー | 宿にあり |
トイレ | 宿と港にあり |
見どころ | ミナミハンドウイルカ、ウミガメ、大自然 |
御蔵島の場所と行き方
御蔵島は、東京の都心から南へ約200kmのところにある、人口約300人の小さな島です。 一般的には 東海汽船 の「 橘丸 」で行きます。 東京港の竹芝桟橋 から片道約7時間半かかります。 1日1便運行していて、行きは夜出発して朝到着、帰りは昼出発して夜到着する感じです。
東海汽船の予約は ネット予約 か電話予約になります。 どちらも2ヶ月前から予約できます。 一番安いのは2等(雑魚寝)で片道8,750円、一番高いのは特等(個室)で片道24,490円です。
夏期は満席になることもありますが、その場合でも基本的には「席なし」(料金は2等と同じ)で乗船させてもらえます。 もし席なしになった場合は早めに乗船し、乗船後すぐに船内窓口でキャンセル待ちをすることで、席を確保できることもあります。 もし席が確保できなかった場合はデッキなどで夜を明かすことになるので、寝袋やマットレスを持参すると快適になります。
橘丸(引用:東海汽船)
注意点として、御蔵島行きは「条件付き」の運行になり、島に接岸できないケースがあることです。 条件付きというのは、御蔵島の近くまで行ってから接岸できるかどうか判断することです。 御蔵島の桟橋は外洋に面していて荒れやすいので、よく条件付きの運行になります。
ただし、接岸できなかったとしても諦めるのは早いです。
御蔵島へ行く船は、
竹芝→三宅島→御蔵島→八丈島→御蔵島→三宅島→竹芝
の順に丸一日かけて就航しています。
このため、朝に接岸できなくても、八丈島へ寄ったあと(通称、八丈流し)、お昼に接岸できる可能性もあるからです。
また三宅島へ着く前に御蔵島欠航のアナウンスがあった場合は、三宅島で降りてヘリか漁船で御蔵島へ渡ることもできます。
ヘリの場合は東邦航空のヘリ「愛らんどシャトル」で片道5,870円ですが、定員9名なので満席の可能性もあります。
漁船の場合はチャーターになるので、人数割になります。 だたし、荒れてる海で漁船で1時間以上の船旅になるので、想像の10倍以上過酷だと思っておいた方が良いです。
御蔵島に接岸できず八丈島まで行ってしまった場合は、八丈島で降りてヘリの愛らんどシャトル(片道12,820円)で御蔵島へ戻る方法もあります。
残念なことに行きも帰りも接岸できなかった場合は、丸一日ただクルージングして竹芝に戻ってくることになります。 もちろんその場合は返金されます。
ちなみに、海が荒れて御蔵島から帰れなくなるケースもあります。 みんなで漁船をチャーターして三宅島に脱出できることもありますが、最悪の場合は延泊するしかないので、そういうケースも考えて予定を組みましょう。
御蔵島の宿の予約
バンガロー(引用:御蔵島観光協会)
御蔵島ではキャンプが禁止されているので、必ず宿を予約しないといけません。
一番安く抑えたい場合は バンガロー がおすすめです。 ただし電気もないのでもちろんクーラーもなく、真夏はちょっとつらいです。
快適に過ごしたい場合は 御蔵荘 もおすすめです。 高くつきますが御蔵島唯一のホテルで大浴場もあります。
バンガローと御蔵荘は村営ですが、その他にも民宿がたくさんあります。
ちなみに私たちはバンガローと御蔵荘の他、 やまじゅうさんと まるいさんを使ったことがあります。
ドルフィンスイムの予約と料金
ドルフィンスイムをする場合は必す船(ウォッチング船)を予約しないといけません。 泊まっている宿が船を出している場合はその船を、宿が船を出していない場合は宿が提携している船を予約することになります。
ツアーは基本的には午前1回、午後1回ですが、交渉すれば早朝などにあと1回までは追加してもらうこともできます。 1回のツアー時間は2時間で、これは島のルールなのでどのツアーも同じです。 参加費は季節やウォッチング船によって多少変わってきますが、1回1万円前後です。
御蔵島観光協会のサイトにウォッチング船の一覧が載っているので、自分が泊まる宿に合わせてウォッチング船を予約しましょう。
ドルフィンスイムに最適な時期
ドルフィンスイムのツアーは毎年3月から11月まで開催されています。
シーズン初めの3月はイルカが(まだ疲れてなくて?)元気だと言われていますが、水温は20度を切っていて、気温も低いので、人にとっては極寒ツアーでツラいと思います。
逆に水温が最も高く快適なのは9月ですが、台風も多い季節なので、着岸できない、つまり御蔵島に上陸できない可能性も高くなってしまいます。
というわけで、総合的には水温もそこそこ上がってきて、イルカ達もそこそこ元気で、台風も少ない6月〜夏休み前あたりはいかがでしょうか。
ドルフィンスイムに必要な資格
ドルフィンスイムに参加するには、スキューバダイビングのように何か特別な資格が必要わけではありません。 フィンとマスクとシュノーケルという3点セットが使えれば誰でも参加することができます。
とはいえ、イルカが泳いでいるのは海水浴場ではなく完全な外洋です。 外洋なので激流になることや、山のような波がくることもあり、水深が数十メートルの場所もあります。
特別なスキルが必要というよりは、そういう環境でパニックにならず落ち着いて泳げるメンタルが必要です。 もし不安がある場合は、事前にシュノーケリングの練習をしたり、講習を受けておいた方が安心です。
ちなみに、水面に浮んでいるだけでもイルカと遊べますが、イルカと一緒に潜って遊びたい場合は、スキンダイビングやフリーダイビングの講習も事前に受けた方が楽しめます。
講習やスクールはたくさんあるので、自宅から通えるところを探してみて下さい。
また、これは資格というより資質の話になりますが、御蔵島の海は荒れやすいので、乗り物酔いしやすい人はほぼ間違いなく船酔いしてしまうと思います。 船酔いが心配な人は必ず酔い止め(おすすめはアネロン)を飲むことをおすすめします。
ツアーの流れとルール
まずは宿で水着やウェットスーツに着替えます。
宿から港までは、ウォッチング船のスタッフに送迎してもらえます。 宿から港までは車で5分くらいです。
港に着いたら準備体操をして、船に乗ります。 10人乗りくらいの小さな船なので、持ち込めるのはフィン、マスク、シュノーケル、ウェイト、カメラなど必要最低限のものだけです。
港を出たら船長さんやガイドさんと一緒にイルカの群れ(背ビレ)を探します。 出航して3分で見つかることもあれば、1時間近く見つからないこともあります。 2時間ずっと見つからないまま終了ということはほぼありません。
イルカが見つかったら、フィンやマスクを着けて、海に入る準備をします。 船長さんの許可が出るまでは海に入ってはいけません。
船長さんの許可が出たら、船の両サイドから海へ入ります。 タイミングが大事なので素早く入る必要がありますが、装備が外れたりケガをしたりしないように落ち着いて入りましょう。 船長さんやガイドさんが、どの方向にイルカがいるか指示してくれるので、指示をよく聞きましょう。
水中でイルカに会えたら、あとはイルカが飽きるまで一緒に泳ぎます。 素通りされてしまうこともあれば、数十分も一緒に泳いでもらえることもあります。
イルカが行ってしまったら船のお迎えを待ちます。 イルカを追いかけても絶対に追いつけないし、不用意に潜ってしまうと船にひかれてしまう危険があるので、大人しく水面に浮いて待ちましょう。
船が近くまで来たら、落ち着いて素早く船に上がりましょう。 後ろの人がスムーズに上がれるように、上がったらなるべく奥に詰めて座りましょう。
全員が船に上がったら、またイルカを探します。 同じイルカの群れに再チャレンジすることもあれば、別の群れを探すこともあります。 基本的にはこれの繰り返しです。
御蔵島のドルフィンスイムには「イルカに触らない」「フラッシュは使わない」「自撮り棒は使わない」などいくつかルールがあります。 島共通のルールもあれば、船独自のルールもあり、ルールは日々変わっているの、現地でその都度ガイドさんの説明をしっかり聞きましょう。
野生のイルカとの上手な泳ぎ方
まずは、海に入る前に船の上からイルカをよく観察しましょう。
何頭くらいの群れなのか?
どれくらいのスピードで泳いでいるのか?
どの方向に向かって泳いでいるのか?
船の上からイルカの行動をよく観察しておけば、海に入ってからすぐにイルカを見つけられます。
次に、水中でイルカを確認できたら、もう一度落ち着いてイルカの行動を観察しましょう。
よく観察していると、あなたに全く興味がないイルカと、あなたに興味を示してくれているイルカが分かると思います。
興味を示してくれているイルカとは目が合いますし、首をフリフリしていることもあります。
イルカが水面近くに居るときは水面から、イルカが深いところに居るときは潜って水中で観察すると良いです。
イルカと目が合ったら、しっかり目を合わせて、あなたもイルカに興味を持っていることを伝えてあげましょう。
目をそらすと行ってしまいますが、目を合わせていればあなたのペースに合わせて泳いでくれます。
コツとしてはイルカの真横を泳ぐよりも、イルカの斜め後ろのちょっとお腹側を泳いであげると目を合わせやすいです。
イルカと一緒にクルクル回る時は、あなたが内側で、イルカが外側になるように回るとうまく回れます。
手を使って泳ぐとイルカが嫌がるので、なるべく手は使わず足だけを使って泳ぎましょう。
よく遊んでくれるイルカに対してみんなで同時に遊びに行ってしまうと、イルカがビックリして逃げてしまったり他の人と衝突する危険があります。
なので、ひとり遊び終わったら次の人が遊ぶ、その人が遊んだらまた次の人が遊ぶ、そうやって順番にリレーした方が余裕を持って遊べますし、結果的に長い時間イルカも遊んでくれます。 下の動画では3人でリレーしています。
少しレアなケースですが、イルカが海藻を持ってきて、人の前で手放すことがあります。
そんなときはその海藻を拾って少し泳ぎ、海藻を手放してみましょう。 イルカがその海藻を拾って、またあなたの元へ持ってきてくれたら、いわゆる海藻キャッチボールの成功です。
御蔵島ドルフィンスイムの魅力
イルカは陸には住んでいないので、多くの人にとっては水族館で飼育されている姿しか見たことがない存在だと思います。
人によってはスマホやテレビでしかみたことがないという人もいるでしょう。
そんなイルカが野生のままの姿で自分の目の前を泳いでいて、自分もそのイルカと同じ海の中にいるという体験は、それだけで多くの人にとってとても感動的なものです。
またイルカは人と同じ哺乳類で、とても知性が高く、人ともコミュニケーションをとることができます。
上でも書きましたが、泳ぐペースを合わせてくれたり、一緒にクルクル回ってくれたり、海藻でキャッチボールをしてくれたりします。
イルカによって個性が違うのも魅力です。人懐っこいイルカがいれば、つれないイルカやツンデレのイルカもいます。
御蔵島のイルカはヒレの形や身体の傷跡で個体識別されているので、みんな名前がついています。 何回も通っていれば、去年いっぱい遊んでくれた子が今年も遊んでくれたとか、今年はお母さんになっていたとか、そういうことが分かり、親近感も増します。
また御蔵島の魅力はイルカだけではありません。
御蔵島にはウミガメもたくさんいて、ほぼ確実に出会えます。
キビナゴやタカベの群れもいっぱい居ます(超レアですがジンベエザメが出たこともあります)。
御蔵島の海岸はどこも断崖絶壁の大自然で、雨が降ると滝がたくさんできます。
ちなみに山に入るには基本的にガイドの同行が必要なので、山にも興味がある人は事前にガイドさんを予約しておきましょう。
YouTube
私たちが過去にドルフィンスイムに参加したときに作ったVlogがあるので、よかったら観てみて下さい。
2017年↓
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2014年↓
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